naka-maの心言・2

http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/ 「naka-maの心言」続編です

(N社xC社)と動画デジカメ

筆者にしては、思い切ったタイトルになってしまった。
まあ、門外漢が適当なことを言っているのでご容赦ください。

この夏は大変暑かったが、おそらくカメラ会社の広報関係社はもっと熱かったに違いない。
8月20日キヤノンからEOS1Dsマーク3、40Dが発表された。特に40Dはすでに発売され、テレビコマーシャルでおじさんが持っているのが露出し始めた。1Dsマーク3が「フルサイズ」(35mmフィルムサイズ)CMOSセンサ、40DAPS-Cサイズである。
現在、今年度のデジタル一眼レフカメラの国内(世界もそうだったかは知らない)シェアはニコンが1位、キヤノンが僅差で2位としのぎを削っている。そこで製品発表会会見では、「今年度も、後期は挽回して首位をとる」と意気込んでみせた。
そして、8月23日、ニコンがD3、D300を発表した。世界陸上大会のスポンサーでもあるニコンは、このところキヤノンにやられっぱなしのスポーツ系プロ仕様カメラにD3を投入、25日からの大会にサンプル機を大々的に持ち込み、宣伝につとめたようだ。
一方のD300は筆者も所有するD200の後継機種で、D3に共通するAF機構などを取り込んでいる。
D3はニコン初の「FXフォーマット」(35mmフィルムサイズ)CMOSセンサ、D300は「DXフォーマット」(APS-Cサイズ)である。
ニコンは発表会で「20日のC社発表を聞いてほっとした」とこれまた意味深な発言で、対抗心を隠さなかった。

と、まあ、メーカー同士の競争は市場原理から言っても歓迎するし、従来の日本メーカーに無い発言もおもしろおかしく楽しんでいればそれで良い。

しかし、ユーザーにとっては、その製品の特徴から、デジタル一眼レフカメラ、ひいてはデジタルカメラ業界がどのように進もうとしているのか、という”メッセージ”を読み解くのが重要だ。

キヤノンは一足早く春にEOS-1Dマーク3(APS-HサイズCMOS)をスポーツ系プロカメラとして投入済みである。このカメラの特徴は、1010万画素、常用高感度ISO3200、連写速度10コマ/秒である。
1Dsマーク3はマーク2の正常進化、2110万画素CMOS40Dも30Dの正常進化、1000万画素、駒速6.5コマ/秒である。全く「我が道を行く」方針である。もともと定評のある高感度特性をそのままに、高精細化してきた。

一方のニコンは、シェアを低価格帯D40、40x、80の「キムタク効果」で、独走していたEOSkissDXを、連合パワーで抑えた。しかし、プロ市場、とくにスポーツ系では、D2Hs(400万画素、8コマ/秒)では歯が立たず、じっと耐え忍んでいた状況であった。
そこで、今回のD3は1200万画素(500万画素)、9コマ/秒(11コマ/秒)(括弧内はクロップ時)そして、常用高感度ISO6400を掲げて、追撃、逆転を狙ってきた。
D300も1230万画素、6コマ/秒(オプション装着時8コマ/秒)、ISO3200を備えるもうひとつのフラッグシップだ。

面白いのは、このブログの中で言っていたように、
http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/2004/02/post_3.html
背面の液晶で「ライブビュー」がお互いの新製品すべてでできることだ。
ただし、撮像素子そのものでのビューなので、ミラーアップした状態で使う。そのためAFが効かないキヤノンと、コントラスト検出AFの効く(三脚モード)ニコンの違いがある。ニコンは受光CCDセンサ(1000画素)による画像検出AF、AEができる。いっそのこと200万画素CCDでも入れれば良いのに。

ついでに、ニコン新レンズについてだが、24-70mm/2.8が出る。やはり以前書いた
http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/2004/01/42001.html
でも、24-70が欲しいと言っていたが、これはVR(手ぶれ補正)付き高性能レンズだった。今回はVRがない。


話は、変わるが、ソニーのコンパクトデジカメ用CMOSとそれを入れたと思われるカシオの発表があった。
これは600万画素で60コマ/秒、35万画素で300コマ/秒の脅威の超高速撮影ができるセンサとカメラだ。
そして、また違う話だが、松下からSDカード記録の”フル”ハイビジョンデジタルビデオカメラが発売になった。三洋も「動画デジカメ」「Xacti DMX-HD1000」を発表、発売する。これもデジカメから進歩した動画デジカメだが、”フル”ハイビジョンデジタルビデオカメラになっている。

これから分かることは、いよいよコンパクトデジカメとハイビジョンビデオカメラの垣根が無くなったということ、そして、高速なチップの出現で、動画と静止画の境界も無くなりそうだということだ。
筆者は、これをまだかまだかと期待していた。電池食いで壊れやすいメカニズムを持ったビデオカメラが、メモリカード対応になることを期待していたのだが、それはデジカメとビデオの融合を意味していたからだ。

これでめでたしめでたし、だが、待てよ。
前半の一眼レフカメラと後半の動画カメラは違う話のようだが、よく見ると、今回のデジタル一眼レフカメラの進化の狙いは、「高感度化」と「高速化」だ。秒10コマの攻防は熾烈だ。でも、しかし、秒8コマが10コマになってどうなると思う?実際に経験すると分かることだが、シャッターチャンスは一瞬だ。これでは「五十歩百歩」なのだ。このスピードは一眼レフの「レフ機構」にある。大きなミラーがぱたぱた動くのだから仕方が無い。

ああ、液晶ビューファインダーには撮像素子のスルー画像がリアルタイムで出ているというのに・・。あれ、画像は出ているのね、秒30コマで。
あれ、600万画素で60コマの読み取りができるのなら1200万画素で30コマだね。撮像素子の大きさの違いは読み取り速度とは無関係、消費電力の問題だね。

となると邪魔物は一眼レフのミラーか。ミラーが無くなったら一眼レフではないね。そうなると困るのは、前述のブログで述べたように位相差検出AFのスピードとファインダーの見えだ。あともう少しだね。(なにが?)