お待たせしました?!(笑)
マスコミで急に「スーパーマーズ」とか言って、まるでその日しか見えないみたいな言い方ですが、実際に火星が接近中です。
ここのところ晴天が続き、カラッとした気持ちの良い日が多いのですが、惑星撮りにとって困るのは、地上で風が強く望遠鏡が揺れて揺れて画面から惑星が飛び出すくらいなことです。
上空のシーイングはもしかするとまあまあなのかもしれません。ネットで見るとこの強風の中でも結構な写真を撮っている方がいます。
筆者も、と頑張ってみたのですが、なかなか思うように撮れなくて忸怩たる思いです。
とはいえ、PCカメラ初心者の悪戦苦闘の結果をお見せします。
先週、土日で出かける予定なので、金曜日に急いで望遠鏡を出して撮影しましたが、先述のように風が強かったです。
撮影場所: 横浜市
望遠鏡: セレストロンC11(28cmシュミットカセグレンF10)、ビクセンアトラクス
カメラ:ZWOASI224MC、(ニコン アイピースNAV-17.5SW+ニコンNSA-L1)=F30
画像処理:Lynkeos(Mac)コンポジット、各種強調、復元、フォトショップ
火星
2016年5月27日
シーイング 3/10、透明度3/5
露出8msec.ゲイン350、2000枚>約1000枚コンポジット
22時42分31秒(JST)
今日以降、いよいよ梅雨の走りということなので、やはり金曜日に撮影しました。ネットの風予想では内陸側の方が風が弱く、関東南岸は強いようだったので、ほんの少しの地域差が明暗?を分けるのかもしれません。
火星最接近直後ということと、火星の模様の中で有名な大シルチスがよく見えています。
しかし、極冠がよく写っていないのがとっても悔しいです;)。
2016年6月3日
シーイング 2/10、透明度2/5
露出8msec.ゲイン350、2000枚>約1000枚コンポジット
23時04分59秒(JST)
で、この日の木星は、もっとシーイングが悪かったです。
2016年6月3日
シーイング 2/10、透明度4/5
露出10msec.ゲイン400、2000枚>約1000枚コンポジット
21時47分23秒(JST)
土星は火星とアンタレスと三角形を作っています。とても目立ち、珍しいので是非目で見てください。
土星の輪は最大に開いています。
2016年6月3日
シーイング 2/10、透明度2/5
露出25msec.ゲイン500、2000枚>約700枚コンポジット
19時29分52秒(JST)
ところで、ここからはお悩み告白です(笑)が、土星の写真で見てみます。
まず上の写真の撮って出しです。といっても動画から切り出した画像を1000枚ほどコンポジット(スタック)してノイズを削減し、画像復元フィルターを駆使してシャープネスを上げています。
上記写真の元画像
有名なカッシーニの空隙の上下に色づきが見えます。これは実際にはありえないもので、主な原因は大気のプリズム効果で色分散が起きているためです。
これを補正しようと筆者も色分散補正プリズム(ADC)を購入し、間に挟んでいます。これにより画像を見ながら色ずれを直して撮影しています。
結果としてずいぶん補正できているのですが、それでも出来上がった写真の色ずれは無くなりません。
スタックした写真を色分解してみます。
上記写真のR画像
赤は赤外線感度もあり、シーイングにも比較的強いので、なかなかよく写ります。
上記写真のB画像
問題は青です。もともと撮像素子の感度が低いのでノイジーになることはデジカメでも経験することなのですが、PCカメラに切り替えてからずっと青だけ「二重に」映るのです。正確には二重にスタックしてしまったということです。
カッシーニを見るとよくわかりますが、上下に二つ、くっきりと映っています。
おそらくこれを改善できればシーイングにも強い写真が撮れるのでしょうが、今の所解決策が見つかりません。他の方はどうしているのでしょうか。
ちなみにスタックソフトを評判の良いAutoStakkertにしてみてもうまくいっていません。
先週、埼玉県ときがわ町にある堂平天文台を、会社の仲間に誘われて見学してきました。この日はやはり風が強かったのですが大望遠鏡がドームに入っていれば万全です。
夜のドームに明かりがついていますが、惑星観測にはこれでも十分望遠鏡集光力があって大丈夫です。
北極星が左側にあって、暗い星までよく写りました。(15秒露出を15枚重ねています。)
追記
おかしなB画像を消して、L画像を作ってから、RGB画像は元画像にして、LRGB画像を作ってみました。
まだまだですね。
解像力の高いR画像をL画像にしてみました。これはこれでアリかな?