naka-maの心言・2

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復活!?阪神タイガース(2002)

復活!?阪神タイガース

阪神タイガースが強い。長年のファンにとっては、開幕戦勝利が12年ぶり、開幕7連勝が63年ぶりなどとどうでも良い記録を並べ立てるより、「貯金7」(今日時点)という聞き慣れない成績の方が重要だ。

ここのところ三連敗(引き分けを挟み)と、負けが込んできて、このまま貯金を使い果たすのがGW(黄金週間=死語?)明けではないかと心配したが、今日の勝ちでチームの雰囲気は引き締まった明るさを取り戻すだろう。

さて、オープン戦で「優勝」しても、開幕7連勝してもシーズン終了時点が信じられない阪神ファンは、マスコミが騒げば騒ぐほど、俄ファンが喜べば喜ぶほど、「真の阪神ファンはこの程度では信じられん」と思ってしまうのだが、逆に今の内に喜んでおこうという気にもなってきている。

さて、今シーズンの好調は何が原因か考察すると、片岡、ホワイトの移籍、新外国人の意外な活躍(片岡は意外ではないかも知れないが、過去の広沢、大豊を思えば)と、安定した井川など先発投手陣などがあげられる。しかし、陰に隠れた形だが、筆者は阪神生え抜きの今岡、桧山、赤星(骨折が痛いが;)などの奮起が大きいと思う。冷静に考えると昨年までと大差ないのだ。

ならば、なぜ、と理由を探せば、星野監督に行き着く、としか言えない。監督が替わっても戦力が変わらなくては勝てない、と酷評された阪神だが。

前任の野村監督は、後味の悪い辞め方だったので、今更触れたくないが、野村監督の功罪が今の阪神の強さにつながっていると言ったら変だろうか。

阪神タイガースの監督は、実は球団創設時に一悶着あり、すぐにフロントにすげ替えられて(親会社のライバル阪急にぼろ負けしたから;)以降、67年間フロント受けの良い大学卒の生え抜きが監督になるという悪弊があった。野村監督就任はそれをうち破る初めての監督と言うことで、期待されたが、どうも野村家の悪い雰囲気がチームにまで蔓延したようで、悪妻の所業がぶちこわしたと思う。

しかし、選手への野球観の浸透は着実に進んだはずで、それが表に現れなかった。一方でヤクルトより脳天気だった選手が萎縮してしまった。なにより選手を信用していなかった、「お前らは弱い」と言い続けた(それが選手を奮起させるためだとしても)、さらに選手のえり好みが激しかった。

そして、星野監督は以前より丸くなったとはいえ闘将である。勝つためには手段を選ばない。選手の起用も気迫を重視する。前監督に干された選手が、知らない内に身につけた野球センスを持って、大いに活躍を始めたのである。その意味では星野監督は幸運だった。人間、やる気が実力を引き出す。そのやる気を引き出すのが指揮官の役目だと言うことを阪神は証明している。

一方でそのやる気もちょっとしたことがきっかけで無くなってしまう。そうなったら転落も急だ。星野監督中日ドラゴンズ時代も現有戦力の力を引き出すのは上手だった。しかし新人を育てて使うことは下手だった。本人が退任時にマンネリになった、というのもこの辺りに原因があると思う。だから阪神も狙うなら早いほうがよい。ただ、岡田二軍が優勝していることから、次の素材は育っている。ここは星野、田淵と岡田が巧くやっていく限りは期待できると思う。

ともかく阪神タイガースが復活するということは、自信を無くした集団(チームでも、企業でも、国でも)の復活への期待も持てるというものだ。あの阪神が復活できるなら。しかし星野監督はそこにはいない、というのも現実だ。せめて「やりがい」の持てるようになりたいものですね。御同輩・・・。

2002.4.20