naka-maの心言・2

http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/ 「naka-maの心言」続編です

南会津の紅葉(マルチパターン測光の注意点)(2001)

さて、今回も主な写真はNikonF4で撮影した。特に冷え込む朝方は、ケーブルレリーズが使え、電池の持ちがよいF4が適している。今回は車なのでNikonF5と撮り比べるなんてことをしてみた。というのも、前回の尾瀬に於いて、安定した露出を示すF4のマルチパターン測光が、偏光フィルターを付けたコマだけ露出オーバーになっていたのだ。それを確認するつもりだった。

説明を加えると、まず偏光フィルターとは、反射光(水面、ガラス、青空など)は光の偏光角が揃っていることからその偏光角のみ除去することで反射を消したり青空を濃くしたり物の色をくっきり見せることができる。風景写真では青空をきれいに見せる常用フィルターだ。偏光方向を回転させていくと青空が暗く落ちる瞬間がある。紅葉の色も鮮やかになるので効果的に使いたい。偏光フィルター自身、減光するので露出をプラスする必要があるが、青空に関しては反射を減らして暗くしたのだから露出オーバーは御法度だ。

一方、F4のマルチパターン測光とは画面を5分割(中央と四隅)して測光し、概略の構図を判断して主要被写体に合わせた露出をする。このとき画面上部が明るければ昼間の空と判断し、暗ければ夜、または空ではないと判断する。だから偏光フィルターがぎんぎんに効いた時は、夜景と判断しているようだ。ややオーバー目に自動補正される。

こういう理屈で行けば、偏光フィルター使用時、F4はマルチパターン測光は使えない。実際中央部重点測光の方が良い。

ところがF5は1000画素のCCDを用いたRGB-マルチパターン測光だ。これは5分割を基本にしながらより多分割測光をし、さらに色まで関知できる。これにより青空は偏光フィルターがついていても判別できるはずだし、紅葉のような偏った色(普通、赤色黄色は露出オーバーになりやすい)でも大丈夫なのだ。

結果は条件により変わるが、F4,F5とも中央部重点測光のときは露出は完全に揃っていて(これもすごいが)、マルチパターンではF4で+1/3、F5で-1/3EVの補正、その差2/3段というかんじだった。現像結果は、うーんやはりF5の勝ちだ。色の深みが違って見える。ただこの程度の差はスキャナーを通すと、ほとんどわからないし、カメラの個体差でも変わる範疇だ。にしてもF5のRGB-マルチパターン測光、おそるべし。

011020-1F5m

舘岩村の一軒家と「山神社」のご神体なる山の紅葉。AF35-70/2.8S使用。LS2000、2700dpiで読みとり、下の写真はこのごく一部(横150ドット)を画面上等倍に切り出したもの。

011020-F4s
NikonF4 中央部重点測光に比べマルチパターンで+1/3段自動補正された。

011020-F5s
NikonF5 -1/3段自動補正された。青空に差が見える・・よね。

2001.11.3